忍者ブログ
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カウンター
プロフィール
HN:
夕陽
性別:
女性
趣味:
ピアノ 音楽鑑賞 読書 物書き
新着コメント
[02/04 雪煌華]
[01/23 夕陽]
[01/23 雪煌華]
[01/21 夕陽]
[01/21 雪煌華]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
アーカイブ
最古記事
自作小説を書いてます。感想宜しくお願いします♪
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「ふーう」

ユキは少し疲れた。だが、休憩の暇などない。

すばやく校長室のカギを開け、入り込んで、内側からも鍵を閉める。

そして、校章の絵…あった。おそるおそる、めくると…

本当だ。扉がある。扉は大きめで、ユキなら入れそうだ。

ユキは、扉を開けて、すこしかがんで、中に入ってみた。

そして、扉の奥は、少し暗くて、トンネルのようなものが続いていた。

「怖いなあ…。」

そこは、死者の国のように薄暗かった。

四つんばいになりながら、トンネルを5分ほど這う。

すると、なにか壁に頭をぶつけた。

「痛っ…」

それは、壁ではなく扉だった。押したら、簡単に開いた。

その扉を通ってからは、たくさんの蝋燭がぼんやりと灯っている場所に出た。

蝋燭が、道のようになって並んでいる。

思い出したように、手帳を見た。

『そうそう、そこ。13本目の左側の蝋燭のところを、曲がってね。』

ユキはまたびっくりしてしまった。

左に曲がった。そこには、また扉があった。

 

扉をあけた。キーッ、と不快な音がする。

 

眩しい光に、ユキは目を瞑った。

PR

ユキは、困ってしまった。

「八木…って、どこを探せばいいの?」

何度もこの質問を手帳に向かってたずねてみた。

答えは必ず…一緒だった。

『学校の、秘密の道。』

あんな狭い学校に、秘密の道があるなんて…ありえない。

「うーん、がんばってみるよ。」

 

そういったものの、少ない休み時間では道どころか、その手がかりさえつかめなかった。

「本当に、どこなの」

もう、リサに頼るしかない。

『うーん、しょうがないな。校長室の壁の、校章の絵が入った額の、裏なんだけど』

校長室…。冗談じゃない。絶対にばれる。

だいたい、校長室なんて簡単に入れる場所じゃない。ばれる以前の問題だ。

ユキは、作戦をたてた。そして4日後、実行にうつった。

まず、校長室にいきなりはいって、後ろから見られては終わりだ。

校長室のカギを、事務室からこっそり失敬して、放送室に行く。

放送委員のユキは、なんなく入ることができた。

そして、機械の隙間に隠れて、録音のできる小型機具にカセットテープをセットする。

校長が、生徒の声で呼び出されては不審に思われる。

録音のスイッチをカチッ、と押した。

しばらくすると、教頭が入ってきた。

そして、校長を呼び出す放送を流した。校長室にくるように、という呼び出しだった。

校長は、カギがなければ校長室に帰れない。おもしろくなってきた。

そして、さっきの録音したテープ。これには、ちょっとした小細工がしてある。

今日までの4日間、ひとつ残らず、校内に放送された音を録音してあるのだ。

ユキはメカに強い。音声をつぎはぎして、校長を校長室とは別の場所に呼び出す。

できるだけ、遠い場所。会議室などどうだろう。

スイッチを押す。カチッ、と音がした。

そして、録音された声が、学校中に流れる。会議室に呼び出された校長…。

ユキはくすくす笑いながら、放送室からでてきた。

 

さて、これからが本番だ。

忘れてたよ、登場人物。

書いたほうが、わかりやすいでしょ?

 

+井篠 由希 Yuki=Ishino
   平凡な中1の女子。リサの未練を果たすべく、
   「八木さん」を探す

+市原 理沙 Risa=Ichihara
   クラスの変わり者。ユキにいろいろと頼みごとをする

+八木さん  Yagi
   リサの知り合いらしい。本名や年齢、性別など、
   ほとんどが謎。

+ハルカ   Haruka
   ユキが旅の途中で出会った少女。小心者で、ユキいわく「ヘタレ」。
   旅で重要な役割を果たす…?!

 

主要人物はこれぐらいー まだ出るかも・・・?

灰色っぽいリサをじろじろ眺めていると、

「やりのこしたいことの話が先だよ。」

と、たしなめられた。

「で、なんなの。」

ユキは気になって仕方が無い。

「会いたかった人がいたの。
 その人に、この手帳の一番最後のページを切り取って、
 リサからだった言って、渡して欲しいんだけど」

「それだけ?じゃ、ないよね。たくさんあるんでしょ?」

「うん。最初のほうのページに、他の事は書いておくから」

「手帳に書けるのに、何で呼んだの?」

リサが、いきなり黙り込んだ。

沈黙が続いた。

「リサ、…渡したい人って、誰なの?」

「八木さんていうの。私の…」

そのあとは聞き取れなかった。リサごと、いなくなっていた。

手帳をちらりと見たら、また書いてあった。

『ごめん、時間切れ!これ以上死者の国にいたら、ユキ死んじゃうよ!』

めまいがした。

 

めまいがおさまってみると、また、墓石の前に突っ立っていた。

「八木さんか。リサの、なんなんだろう。」

 

なぜか、息切れがした。

「待ってるって…」

ユキにはさっぱりわからなかった。

「もしかして?」

 

数日後、ユキはリサのお墓に行った。

そして、墓石に話しかけた。

「…待ってるって、どういう意味?」

そして、ちらっと手帳をみた。ユキは、ぎょっとした。

『まだ、未練があるの。たくさん。だからユキに、やってほしいの。』

いつのまにか、手帳の1ページ目の下のほうに、こう書かれていたのだ。

ユキはまた、墓石に話しかけた。

「何をやってほしいの?できることなら、ていうか、できなくてもやってあげる」

また、字が──間違いなく、リサの筆跡だ──書いてあった。

『やってほしいことが、たくさんあるの。とりあえず、死者の国まできてよ』

なんてことだ。でも、やるしかない。

「えっ、どうやっていくの?痛いのは嫌だからね。」

『痛くないよ。手帳を絶対に放さないでね。ユキは握力が28だもんね、大丈夫だと思うよ。』

ユキは、言われたとおりに、ぎゅっと手帳を両手にもった。

「準備、OK!!」

 

すると、手帳が何かに引っ張られるような感じがした。

ユキは、あやうく手帳を手から放しそうになった。でも、大丈夫。

まだ、手帳は手の中にある。

今度は、自分ごと引っ張られていくような感じがした。

『抵抗しちゃだめ、この力に身を任せて…』

リサの声が聞こえる。頭の中に響くような感じだ。

きっと、この声は耳から入ってきた音じゃないな、と思った。

いきなり、ビューンと音がして、ユキと手帳は、地面に落ちた。

『ようこそ。来てくれたんだね。』

リサが笑顔で迎える。

 

辺りは真っ暗で、空気さえ黒く染まってしまったように見える。

不思議と、リサだけは良く見える。

周りには、生気の無い人間のようなものがうろうろしていた。

 

そう、ここは、死者の国だった。

Copyright © Secret Story Note。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Template by Ninja☆BT
忍者ブログ [PR]