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ユキは、困ってしまった。
「八木…って、どこを探せばいいの?」
何度もこの質問を手帳に向かってたずねてみた。
答えは必ず…一緒だった。
『学校の、秘密の道。』
あんな狭い学校に、秘密の道があるなんて…ありえない。
「うーん、がんばってみるよ。」
そういったものの、少ない休み時間では道どころか、その手がかりさえつかめなかった。
「本当に、どこなの」
もう、リサに頼るしかない。
『うーん、しょうがないな。校長室の壁の、校章の絵が入った額の、裏なんだけど』
校長室…。冗談じゃない。絶対にばれる。
だいたい、校長室なんて簡単に入れる場所じゃない。ばれる以前の問題だ。
ユキは、作戦をたてた。そして4日後、実行にうつった。
まず、校長室にいきなりはいって、後ろから見られては終わりだ。
校長室のカギを、事務室からこっそり失敬して、放送室に行く。
放送委員のユキは、なんなく入ることができた。
そして、機械の隙間に隠れて、録音のできる小型機具にカセットテープをセットする。
校長が、生徒の声で呼び出されては不審に思われる。
録音のスイッチをカチッ、と押した。
しばらくすると、教頭が入ってきた。
そして、校長を呼び出す放送を流した。校長室にくるように、という呼び出しだった。
校長は、カギがなければ校長室に帰れない。おもしろくなってきた。
そして、さっきの録音したテープ。これには、ちょっとした小細工がしてある。
今日までの4日間、ひとつ残らず、校内に放送された音を録音してあるのだ。
ユキはメカに強い。音声をつぎはぎして、校長を校長室とは別の場所に呼び出す。
できるだけ、遠い場所。会議室などどうだろう。
スイッチを押す。カチッ、と音がした。
そして、録音された声が、学校中に流れる。会議室に呼び出された校長…。
ユキはくすくす笑いながら、放送室からでてきた。
さて、これからが本番だ。