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灰色っぽいリサをじろじろ眺めていると、

「やりのこしたいことの話が先だよ。」

と、たしなめられた。

「で、なんなの。」

ユキは気になって仕方が無い。

「会いたかった人がいたの。
 その人に、この手帳の一番最後のページを切り取って、
 リサからだった言って、渡して欲しいんだけど」

「それだけ?じゃ、ないよね。たくさんあるんでしょ?」

「うん。最初のほうのページに、他の事は書いておくから」

「手帳に書けるのに、何で呼んだの?」

リサが、いきなり黙り込んだ。

沈黙が続いた。

「リサ、…渡したい人って、誰なの?」

「八木さんていうの。私の…」

そのあとは聞き取れなかった。リサごと、いなくなっていた。

手帳をちらりと見たら、また書いてあった。

『ごめん、時間切れ!これ以上死者の国にいたら、ユキ死んじゃうよ!』

めまいがした。

 

めまいがおさまってみると、また、墓石の前に突っ立っていた。

「八木さんか。リサの、なんなんだろう。」

 

なぜか、息切れがした。

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