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「リサ、なんで、逝っちゃったの?」

ユキは、まだ状況を判断しきれていないようだ。

混乱しているけれど、事実は重くのしかかる。

……『リサは、死んだ』……

ユキは、リサの家で、目を閉じて深い眠りについている、リサをじっとみつめていた。

なんだかよくわからないけれど、胸がいっぱいになって、リサの家を飛び出した。

 

事故現場で足を止めた。

本当はこんなところ、全速力で走って、すぐに通り過ぎてしまいたい。

だが、信号があるのだ。とても運がよくないかぎり、そんなこと不可能だ。

ふと、道路に落ちている手帳が目に入った。

するとなぜか、リサが頭に浮かんだ。

「リサのかもしれない。」

それは、黒っぽい手帳で、かなり厚かった。

「見ちゃったら、まずいかなあ」

なんていいながら、おそるおそる、開いてみた。

…このとき、手帳を開かなければ、自分が大変なことになっていたかもしれない。

そして、あの人と出会うこともなかっただろう。

 

手帳の1ページ目。書かれていた文字は、

 

「ユキ、待ってるからね。」

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